「古曲を知る」シリーズ 宮薗節を知る会
2012年12月 5日(水)開催
午後2時
会場:紀尾井小ホール
入場料:3,000円(自由席)
曲目・出演(古曲保存会会員、古曲会会員):
1. 道行相合炬燵(梅川)
(浄瑠璃:宮薗千敏恵、宮薗千加寿三/三味線:宮薗千幸寿、宮薗千佳寿奈)
2. 小春治兵衛炬燵の段(こたつ)
(浄瑠璃:宮薗千和恵、宮薗千よし恵/三味線:宮薗千加寿、宮薗千加寿弘)
3. 鳥辺山
(浄瑠璃:宮薗千碌、宮薗千碌司/三味線:宮薗千佳寿弥、宮薗千碌美)お話:竹内道敬(前国立音楽大学教授・近世邦楽研究家)
主催・問合せ:財団法人 古曲会(電話・Fax:03-3348-5021/メールはこちら)
後援:公益財団法人日本伝統文化振興財団
公演目的・ひとこと:
他の音曲と比較して、演奏者が少なく、聴く機会も限られた古曲を維持普及されていくため、また演奏家育成のための定期公演。「知る会」シリーズは今年で10周年を迎え、徐々に認知度の向上が見られる。(主催者)
来たる12月5日に開催いたします「宮薗節を知る会」について、簡単ですがご紹介させて頂きます。
はじめの「梅川」は近松門左衛門の「冥途の飛脚」から。忠兵衛と梅川が、忠兵衛の故郷大和の新口村へ落ちて行く、その道行での梅川のクドキ。梅川忠兵衛ものの中ではもっとも短い曲です。
続いての「こたつ」は近松門左衛門の「心中天の網島」から。小春と別れるという誓紙を書いた治兵衛は、安心した義父を送り出した後「敷居を越すや越さぬうち」こたつへ入って口惜し涙に暮れます。それを見た妻、おさんの恨み言。夫の治兵衛との微妙な関係と心の動きが切ない曲です。
最後の「鳥辺山」は宮薗節の代表曲で、近松半二ほかの合作「太平記忠臣講釈」から。その劇中劇の部分を宮薗節に編曲したものだが、そのもとは地唄にあります。塩谷判官の弟、縫之助と傾城浮橋の鳥辺山への心中道行。詞、曲ともに優れ、数ある邦楽曲の中でも屈指の名作といえます。どうぞ最後までお楽しみください。
(一財)古曲会 理事 竹内道敬