公演情報

古曲演奏会

2011年10月 4日(火)開催

午後2時
会場:紀尾井小ホール
入場料:4,000円(自由席)

出演:荻江ちか、荻江幸代(唄)、荻江香世、荻江 理(三味線)、宇治紫文、宇治紫有(浄瑠璃)、宇治紫津、宇治紫織(三味線)、菅野序恵美、菅野序紘(浄瑠璃)、菅野序枝、菅野序春(三味線) 他

曲目:荻江節「式三番叟(しきさんばそう)」「荻の流(おぎのながれ)」、一中節「椀久道行(わんきゅうみちゆき)」「千手重衡(せんじゅしげひら)」、宮薗節「椀久(わんきゅう)」「道行袖屏風(みちゆきそでびょうぶ)」、河東節「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」

主催・問合せ:財団法人 古曲会(電話・Fax:03-3348-5021/メールはこちら
後援:日本伝統文化振興財団


公演目的・ひとこと:
 はじめの荻江節「式三番叟」は、宝暦7年(1757)に刊行された『女里弥寿豊年蔵』にある長唄「四季三番叟」をもとにした曲です。現在、長唄には伝承されていませんが、荻江になぜか伝わっていると言われており、少し入れごとがなされています。三番叟ものの中ではもっとも古い曲で、粋な味わいのある名曲です。昔はこの曲をマスターしないとお免状がもらえなかったそうです。
 次の楽しみは「椀久」の比較です。一中節「椀久」は初代都一中が作曲したもので、狂乱した椀久の道行です。まことに古風な一中節らしい名曲で、菅野会の演奏でじっくりとお聴きいただきます。それに対し宮薗節の方は、田中青滋作詞、三代目宮薗千寿作曲という新しい曲で、昭和24年に発表されたものです。短い曲ですが、その短い中に椀久の悲しみが表わされていて、少し清元節「幻椀久」のような雰囲気が感じられます。
 次の楽しみは、人間国宝の七代目宇治紫文師の語る「千手重衡」です。南都炎上(東大寺・興福寺の焼失)の責任を問われ、源氏に捕らえられた清盛の子、重衡は鎌倉へ送られます。そこで鎌倉の手越の遊女、千手の前に慰められる場面ですが、その前に重衡が仏敵として夢の中で責められる場面があり、その対照がまことに鮮やかです。岡鬼太郎作詞、四代目宇治紫文作曲で昭和10年に発表された曲です。
 そして河東節「助六由縁江戸桜」ですが、今までの演奏会では、十寸見会の旦那衆の方々に出演頂きました。江戸時代でもなかなか旦那衆だけでは揃わなかったので、そのときにはプロの方たちも出演していたようです。また、ちょうど十月は名古屋の御園座で「助六」が上演されておりますが、ここ東京での「助六」もどうぞお楽しみ下さい。
 一中節、荻江節、河東簾、宮薗箇が一同に揃う、年に一度の古曲演奏会です。皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げております。
 江戸時代から続く伝統ある三味線音楽を正しい形で後世に残していくためには、定期的に演奏会を開催していくことが最善の方法と考えております。(お問い合わせ・チケットのお申し込みはファクシミリ又はeメールをご利用ください。折り返しご連絡いたします。)(主催者)