人形と浄瑠璃で紡ぐ愛の物語　壺坂観音霊験記

「人形と浄瑠璃で紡ぐ愛の物語　壺坂観音霊験記」（「沢市内」から「山の段」まで）が、2月14日 銀座28's Liveで、女流義太夫と八王子車人形という顔合わせで上演されました。女流義太夫はふだん人形のつかない素浄瑠璃で聞かせますが、今回はたいへん狭い会場ながら、華やかな舞台が人形のために工夫されました。

主催者である女流義太夫の竹本越若さんによれば、「壺坂観音霊験記」は結婚3年目の夫婦の危機とその回避、そして二人の愛を確かめ合う物語で、バレンタインデーにはふさわしい演目とのこと。義太夫節にはめずらしいハッピーエンドの愛の物語を、人形と浄瑠璃でたっぷりと楽しませてくれました。

（「じゃぽ音っと」編集部）

(1)人形：八王子車人形 西川古柳座

(2)浄瑠璃：竹本越若、三味線：鶴澤駒治、ツレ：鶴澤賀寿（左から）

(3)車人形は、ロクロ車に腰掛けて一人で操るのが特長

(4)箏･三味線を教えて生計をたてる盲目の沢市と、妻のお里

(5)沢市とお里は、眼病に霊験があるという壺坂観音にそろってお参りする

(6)お里にこれ以上苦労をかけるまいと、沢市は谷底に身を投げる

(7)お里は夢中で沢市の姿を探す

(8)残された杖を見つけ、嘆くお里

(9)あの世でも添い遂げようと、夫のあとを追って身を投げる

(10)谷間で息を吹き返し、沢市の目も治った奇跡を観音様のおかげと喜びあう二人

(11)目が開いた沢市の杖納めに、自分の脚が治り杖を納めたことを重ねて演じたと明かす越若さん

(12)八王子車人形の西川柳時氏（右）と西川古柳座の皆さん