公演情報

JIUTA 藤井昭子

2008年1月21日(月)開催

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午後6時30分
会場:青山円形劇場
入場料:5,000円

出演:藤井昭子、滝澤郁子、徳丸十盟、渡辺明子、塚本徳、安藤啓子
曲目:「黒髪」「楓の花」「千鳥の曲」「新青柳」「根曳の松」

後援:京呉服ゑり善、日本伝統文化振興財団
主催:藤井昭子
問合せ:藤井昭子(電話:03-5702-5612/FAX:03-3716-2110)

公演目的・ひとこと:
 外国の方々(大使館及び外国のプレスの方々等)を主に対象として、日本の「地歌」を紹介するコンサートです。徳丸吉彦先生、有沢知乃さんに英語の解説をして頂きます。

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<企画意図>

Jiuta

The Lyric Art of Voice From Edo Period

 「地歌~幾世紀を超え、現代に伝承する声の芸術」

 日本の伝統文化の中でも、古くは奈良、平安時代から現代まで幾世紀にもわたって伝承されてきた日本の伝統音楽は、世界に誇る日本独自の『文化遺産』です。
 江戸幕府による250年に及ぶ鎖国時代に、日本固有の美意識は世界にも例が少ないほど深く成熟しました。武家や公家などの階級に限定されず、一般市民まで身分を超えてその文化を享受していた日本人は、様々に誕生した多彩なジャンルの音楽芸能においても、音を繊細に聞き分け、味わい楽しむ力を十二分に備えていました。
 地歌は、この江戸時代に京都、大坂(阪)の地で生れた三味線(三弦)を伴奏楽器とする歌曲です。その歌と三弦が醸し出す奥深い魅力は、幾代にもわたる芸系に歌い継がれ弾き継がれながら、今日まで3世紀を超えて継承されて参りました。
 また、日本人が大切にしてきた古来の礼儀作法や立ち居振る舞いは、日々の暮らしの中からほとんど姿を消してしまいましたが、私ども伝統文化を継承する家柄では、そうした日本古来の「美しい所作事」を厳しく躾けられて参りました。
 本公演は、九州系地歌の名人と謳われた川瀬里子先生に師事した祖母阿部桂子、川瀬里子先生、宮城道雄先生に師事した母藤井久仁江に手ほどきを受け、幼少から今日までこの道ひと筋に学んで参りました地歌の「真の魅力」を、海外の方々に初めて本格的に紹介することを願って企画致しました。開催に当たりましては、全150カ国以上の各国大使館・公館、日本海外特派員協会と東京在住の海外マスコミの方々をご招待し、すべての解説を英語によって行わせて頂きます。解説者には日本の民族音楽学を代表する存在であり、海外への日本伝統音楽紹介に大きな功績のある徳丸吉彦博士(放送大学客員教授・お茶の水女子大学名誉教授)のご助力を頂くことが叶いました。また、ロンドン大学<SOAS>博士課程で地歌箏曲の研究を続けておられる有澤知乃さんに、本公演のための一時帰国を依頼し、各曲目の舞台解説をお務め頂きます。
 今回の地歌公演が、日本伝統音楽の中でも「知られざる」存在である地歌の素晴らしさを世界に知らしめる機会となりましたら、この上ない幸せと存じます。また、古典の家柄で躾けられた「立ち居振る舞い、挨拶、作法」を、オープンスペースである青山円形劇場の特性を活かして直接ご覧頂くことを通じて、「日本の伝統芸能の美しさ」もともにご覧頂きたいと存じます。

(藤井昭子)