現行の小唄は〈江戸小唄〉を指し、江戸末期に〈端唄(はうた)〉から派生した三味線小曲で、二世清元延寿太夫(にせいきよもとえんじゅだゆう)の娘・お葉が十六歳の時に作曲した「散るはうき」が最初の作品。明治期には文人・粋人が好んで創り、それが一般に普及して大正期より堀・田村・蓼(たで)・春日などの流派が起こった。昭和に入ると小唄に合わせて踊る〈小唄振り〉がブレイクし、第二次世界大戦後は「ゴルフ・囲碁・小唄」の〈三ゴブーム〉で興隆期を迎え、現在100近くの流派がある。特色は演奏時間が2、3分と短く、お座敷など室内での演奏が主で唄も三味線も小音量。三味線は〈糸〉と呼び撥を使わず爪(正しくは指の腹)で弾くので〈爪弾き(つまびき)〉という。唄の後に〈オクリ〉という短い後奏がつく。
(笹井邦平)